帰省をする。新幹線である。そういえば一年生の夏は通過する京都駅に微妙な思いを抱きながら帰ったな、と思った途端、大学生活の記憶が噴き出してきた。どれもとても最近のことのようにありありと思い出せるのに、私はもう四年生で、もうすぐ卒業で、一体どうすればよいのか分からなくて泣きそうになる。私はそのときの私とはすっかり別人になっていて、本当はそれらの記憶を懐かしいと感じるべきなのだろうと思うのだが、その時々の切迫した感情は今の別人になった私にもたやすく蘇ってきて、それらが過去のものになっていくことがただただ信じられない。大人になることを未だに拒み続けている私には、受け入れがたい現実を突きつけられたように感じられる。時よ戻れ、それか俺を安らかに殺してくれ、そんな非現実的な願いと、己の中に積み上がった過去への思いが混ざり合って、ただひたすらにどうしようもない感情を形作っていた。
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