自慰をした。
自慰をして思うのが、自慰にはある種の逆説性があるということだ。アダルトビデオを視聴したり成人向け漫画を読んだりするとき、私は自分の脳がよりエロいもの、より自分好みのものを求めているのを感じる。ところが、逆説的なことに、極めてエロく自分の嗜好に合ったポルノが自慰に適しているとは限らない。なぜならば、ポルノがエロければエロいほど自慰の開始から射精までの時間が短くなり、快感を時間で積分した値を十分に大きく取ることができなくなるためだ。
もちろん、何度も繰り返しオーガズムを得られるのであれば、一度のオーガズムでの快感が小さいことはさして問題とならない。しかし、男性の体では射精後プロラクチンと呼ばれるホルモンが分布され、急速に性欲が失われる。これにより、ウェットな(=射精を伴う)オーガズムを連続で得ることは困難になっている。ゆえに、より気持ちの良い自慰を追求するという立場からすれば、射精が早くなるのは決して好ましいことではない。一回一回の射精をじっくりと味わうことが大切なのである。
もちろん、何度も繰り返しオーガズムを得られるのであれば、一度のオーガズムでの快感が小さいことはさして問題とならない。しかし、男性の体では射精後プロラクチンと呼ばれるホルモンが分布され、急速に性欲が失われる。これにより、ウェットな(=射精を伴う)オーガズムを連続で得ることは困難になっている。ゆえに、より気持ちの良い自慰を追求するという立場からすれば、射精が早くなるのは決して好ましいことではない。一回一回の射精をじっくりと味わうことが大切なのである。
そこで今回は、ポルノと非ポルノを組み合わせたハイブリッドな手法を用いて、この問題の解決を目指した。すなわち、ペニスにTENGAによる物理的刺激を与えつつ、聴覚情報として成人向け耳舐め音声[1]を自身に入力する一方、視覚情報としてはガラスに関する基本的な内容をまとめたレビュー論文[2]のfigureを与えた。
この試みは実際成功した。
ガラスの論文自体は全くもってエロくない。これ単体で性的興奮を起こせたことは(ほとんど)ない。だが、よくよく考えてみると、ガラスの分野は物理学の中でもひときわエロい分野のように思われる。ガラスというのは、流体において粘性を増大させた極限と見ることができる。ここで、膣分泌液や唾液のエロさについて考えてみると、トロトロとした振る舞い、すなわち粘性が本質的に重要な役割を果たしていることが分かる。また、今一度自慰に使ったTENGAを見てみると、ゲルによる柔らかな触感がなければ先程の自慰は成り立たなかったという事実に気付かされる。
カチカチの固体はエロくない。全くシャバシャバの液体もエロくない。しかし、その中間的なところ、柔らかく、ドロドロした、ほんのりと無秩序なところ、そこにエロさは立ち現れる。
私は、細胞質のガラス的な物性は生物において本質的な役割を果たしていると信じている。そして、生命の重要な特徴は生殖することである。従って、性欲の背景の背景にはソフトマターの物性が関わっていると言えるだろう。うまく脳のスイッチさえ入れてしまえばガラスの論文を自慰に使うこともできるというのも、宜なるかなという感じがする。
この試みは実際成功した。
ガラスの論文自体は全くもってエロくない。これ単体で性的興奮を起こせたことは(ほとんど)ない。だが、よくよく考えてみると、ガラスの分野は物理学の中でもひときわエロい分野のように思われる。ガラスというのは、流体において粘性を増大させた極限と見ることができる。ここで、膣分泌液や唾液のエロさについて考えてみると、トロトロとした振る舞い、すなわち粘性が本質的に重要な役割を果たしていることが分かる。また、今一度自慰に使ったTENGAを見てみると、ゲルによる柔らかな触感がなければ先程の自慰は成り立たなかったという事実に気付かされる。
カチカチの固体はエロくない。全くシャバシャバの液体もエロくない。しかし、その中間的なところ、柔らかく、ドロドロした、ほんのりと無秩序なところ、そこにエロさは立ち現れる。
私は、細胞質のガラス的な物性は生物において本質的な役割を果たしていると信じている。そして、生命の重要な特徴は生殖することである。従って、性欲の背景の背景にはソフトマターの物性が関わっていると言えるだろう。うまく脳のスイッチさえ入れてしまえばガラスの論文を自慰に使うこともできるというのも、宜なるかなという感じがする。
[1] 一之瀬りと & みもりあいの. JK耳リフレ!(2020).
[2] Debenedetti, P., Stillinger, F. Supercooled liquids and the glass transition. Nature 410, 259–267 (2001). https://doi.org/10.1038/35065704
0 件のコメント:
コメントを投稿